火村とアリスが挑む、館に纏わる六つの事件。
個性的な館で起きる殺人事件を描いた短編集。
有栖川有栖はあまり読んでいないが、作中に漂うある種の爽やかさは好きだ。主役二人のキャラクターによるものだろう。
それぞれの話の内容については、よくできていて、端正という印象を抱いた。
個人的に、月宮殿の正体が興味深かった。名前にも色々とロマンがあるものである。
幸せな一家を惨殺する殺人鬼と、FBI捜査官の戦い。
読者には犯人の正体が早々に明かされてしまうので、物語の面白さは、主人公が犯人をどう追い詰めていくか、そして犯人が犯行に至った心理はどういったものなのか、という点にあると思うのだが、そこはまあまあという感じで、それほど引き込まれるものはなかった。
さすがに銃社会アメリカが舞台だけあって、犯人との決着がつくラストは壮絶。
物語の内容とは別に、怖い国だなという認識を新たにさせられた。
キタロウなる謎の人物に導かれた「ぼく」と三人の仲間は、世界を救うために、パラレルワールド――もう一つの夏へと旅立つ。
古き良き頃のスニーカー文庫の佳品。
SFに分類していい話だと思うが、割ととっつきやすい。
淡々とした文章の間から、苦さが零れてくる。
ラストは寂しくも清清しい。
岡崎武士の挿絵は、やはり魅力がある。
事件の舞台は、ロートレックの作品を多く飾る屋敷、通称ロートレック荘。
屋敷に滞在する三人の美女が次々と何者かによって殺害されていく。
彼女たちは何故殺されたのか、そして誰が殺したのか。
やがて衝撃的な事実が読者に明かされる。
まあ、はっきり言って、面白くないですね。
アマゾンのレビュー見ると、絶賛してる記事が多いですが……。
トリックを成立させるための、文章の緻密な構成に感心できるかどうかが、評価の分かれ目かもしれません。
真相が分かったときは確かに、「えっ、えっ?」と驚きますが、その後に出てくるトリックの詳細な説明は、私には失笑物に思えました。
変な言い方かもしれないけど……粋じゃないんだよな!
アンフェアなトリックを使うなら、もっと切れ味鋭く騙してほしいんですよ!
冗長な説明なしで、「そ、そうだったのかぁ!」と一瞬にして天地が引っくり返るような感覚を味わわせてほしいんですよ!
実際、そういう感覚をもたらしてくれるミステリの名作は沢山ありますからね。
なんか、この作品のタネって、セコい感じがするんだな。
上手くできてる、とは思いますが。しかし、面白くないぞと言いたくなる……。
最終的には好みの問題なのかもしれません。
マイロンはニューヨークに住む万能スポーツエージェント。
女子バスケのスター選手ブレンダが、脅迫されているという話を聞かされ、彼は彼女を脅迫者から守ることになる。
脅迫者の正体は一体誰なのか。事件解決の鍵は、ブレンダが幼い頃に失踪した母が握っている!?
マイロン・ボライターシリーズの五作目。
今回の話では、恋人ジェシカとの関係に何やら変化の兆しが見える。別れるのか、続くのか、これを呼んだだけではよく分からない。
それにしても、「スーパー・エージェント」って、邦訳タイトルに違和感を覚える。
今回のマイロンは全然スーパーって感じではなかったような気がするんですけど。
むしろずたぼろ感が強く……。
結末も、ハーラン・コーベンのお言葉通り、ダーク。つーか怖いよ、真犯人の末路が。
それでも相変わらず、ニューヨーカー的ジョークと皮肉満載の文章は楽しく、あっという間に読了しました。
そして、マイロン、ウィン、エスペランサ、三人の友情は、実はかなり感動的である。