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moonscape

読んだ本の覚え書。
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ベルサイユのばら/池田理代子

フランス王国の貴族ジャルジェ家に生まれたオスカルは、女の子なのに、家の都合によって男として育てられます。
彼女は養育係の孫であるアンドレと共に美しく健やかに成長していきますが、そこは革命前夜の激動の時代。二人は否応なしに、厳しい運命に巻き込まれていくのでした。

強くて凛々しくて、とにかくカッコ良いオスカル様と、強いのかカッコ良いのか、よく分からないアンドレの関係に萌えた人は、古来より多いと思われます。
いつもオスカルの斜め後ろのポジションに立っているアンドレ。お堅いオスカルに時折茶々を入れるアンドレ。喧嘩っ早いオスカルを最初は宥めていても、結局一緒に喧嘩するしかないアンドレ。
そして、傷つき気を失ったオスカルを抱いて、夜道を歩くアンドレ!ここは名シーン。
私はこの辺りのまだ脇役臭いアンドレが大好きなのですが、時代の流れと共に、彼もそうそう暢気に脇役をしていられなくなるのが、哀しいところで、アンドレもある時を境に完全に悲劇を予感させるシリアスキャラとなってしまいます。
「カッコ良くなり過ぎだろ!」と突っ込みを入れた人は多いはず。
しかし、そのおかげで、この後のオスカルとのロマンスが非常に美しいものになりました。良かった良かった。
この漫画にはもう一つ物語の軸があって、それがマリー・アントワネットとフェルゼンの話なのですが、こちらはそれほどいい話とも思えません。
ちょっと情けない幼馴染の男の子が、あるとき急に頼もしく思える。そんなときめきと、怒涛の歴史ドラマが見事に融合した、少女漫画の名作です。

 

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美亜へ贈る真珠/梶尾真治

<表題作>
「航時機」の中で、普通の人間とは違う時の流れを生きるアキという男。その航時機の外で、もう死ぬまで会えないだろう彼を見つめる恋人の美亜。そして、美亜に想いを寄せる、航時機の管理者である「私」
やがて年月が流れ、アキに変化が訪れる。(他六篇)

これほど美しく、哀しい話があるだろうか、と言いたくなる物語が、「美亜へ贈る真珠」です。
SFと組み合わせると、恋愛もこんなに硬質でロマンティックな話になるんだなと、感嘆させられます。
 
それにしても、どうしてアキは航時機に乗ってしまったんですかね。次に収録されている「詩帆が去る夏」の詩帆もそうですが、どんなに誰かを愛していても、ふと心に忍び込んでくる何かがあるのでしょうか。
綺麗な話もあれば、ちょっと怖い話もありますが、浸れる話ばかりなので、おすすめです。
(時尼に関する覚え書は、ちょっと頭がこんがらがってしまったぜ……)

天と地と/海音寺潮五郎

越後の守護代、長尾為景の子として生まれた虎千代。後に長尾景虎(上杉謙信)として、戦国の世を駆け抜けた男の物語。

この本に関してはまず、「切ない」という感想が浮かびます。 長尾景虎の生き様が、あまりに青く、ひたむきでナイーブなので……。
景虎のエキセントリックさが、いい感じに爽やかさに転化されていて、この本の彼は非常に格好良いです。
(もうやることなすこと無茶苦茶っていう変人謙信像もいいんですけど)
好きな女の子がいても、性に嫌悪感を持ってしまっているせいで、中々手を出せない。そんな景虎が、もう……泣かせます。
あと、上杉の家臣って、武田に比べるといまいち地味な印象がありますが、この話では、ちゃんと活躍してますし、個性も立ってます。もう、景虎についていくしかない!っていう狂信的な感じがいいですよ。
この本は、とにかく最後まで読んでもらいたいですね。ラストが非常に印象的で、素晴らしいので。
殺伐とした戦国武将の話なんですけど、なんかこう不思議に詩情を感じる物語です。
謙信の浮世離れしたストイックさの所為ですかね。

よろずや平四郎活人剣/藤沢周平

主人公は神名平四郎という旗本の息子。しかし実は妾の子で、家の中では肩身の狭い思いをしていました。
厄介者扱いされる生活が嫌になった彼は窮屈な家を出て、裏店で一人暮らしを始めます。
剣術の腕が立つ平四郎は、二人の仲間と共に道場を開くつもりでしたが、とあるトラブルによって、その計画が頓挫してしまいます。
生計を立てる術を失った平四郎は、窮余の策として「仲裁屋」を始めることにしました。
その名の通り、喧嘩や、様々な揉め事(恐喝含む)を第三者として仲裁してやる仕事です。
そんなこんなで、裏店に仲裁屋の看板を掲げた兵四郎ですが、どうなることやら――。


とこんな感じで物語は始まります。
時代小説はとっつきにくいと思ってる人も多いと思いますが、藤沢周平の文章は癖が無いので、初めて読むにはいいんじゃないでしょうか。
癖が無いと言っても、表現力は本当に素晴らしいですから、いい気分で読めます。
「いい気分」って、読書に関してはとても重要なことです。
出てくる登場人物も、皆、現代にもいそうな人たちばかりで、世界に入り込みやすいと思います。
(藤沢周平の話って、現代事情をそのまま江戸に持ち込んだようなものが多い気がする)
この話、主人公は剣客ですが、「~活人剣」というタイトル通り、ほとんど人は殺しません。
起こる事件も、夫婦喧嘩とか、道楽息子の後始末とか……ま、とにかく割とシリアス味の薄いものが多く、読んでてもそれほど緊張を強いられません。
個性的で味のある登場人物が繰り広げる、推理あり、恋愛あり、友情ありの、ワンダーランド江戸の物語を一度読んでみてはどうでしょう。
損はしないと思います。


 

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HN:
八神
性別:
女性
職業:
労働者
趣味:
読書
自己紹介:
読むのはエンタメ系が多い。
純文学に憧れはあるが、悲しいかな、ほとんど最後まで読めない。
ライトノベルは今のところ手に取る予定がない。
漫画は、少女漫画から青年漫画まで読む。
シリアス話が苦手です。

的外れな感想が多いかもしれませんが、怒らないでください。

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